過去にも何回かラスベガスで開催された展示会に来ましたが、ベガスならではの楽しみの一つとして最先端のナイトショー観劇があります。
そこで 今回観たショーの中から面白かった二つのショーをご紹介します。
最初は シルク・ドゥ・ソレイユ の「LOVE」
ちょうど2年前の2006年6月に幕を開けたこのショーは、O(オー) やKÀ(カー)で行くところまで行ってしまったシルクが新たなスタイルに挑戦しています。
全編がビートルズのリミックス曲で構成され、サーカスのアクロバットが中心だった彼らが スケートボードやトランポリンを使ったストリート色の強いパフォーマンスを見せ、セットや衣装も従来の神秘的なテイストを押さえ、ラフで現代的な感じを全面に出しています。
で、こう書いてしまうと少し安っぽく思われるかもしれませんし、実際 芸術性の高いショーが好きな一部のファンからは当初不評だったそうです。しかし然に非ず、このショーは O や KÀ に勝るとも劣らないパフォーマンスやアイデア、そして確実に莫大な制作費がかかっている事が分かる舞台機構やセットと最先端の機材群に支えられ最高のエンターティメントを実現しています。なんといっても観終わった後の観客の幸せそうな顔がこのショーの質の高さを物語っていると実感しましたし、アメリカ人の多くは絶対こういうのが好きに違いない、と見終わった後に確信しました。
このショーには映像制御で Hippotizer がバックアップも含め20台以上使われています。メインの巨大スクリーンが2箇所、ショーにあわせて舞台上に現れては消える各種スクリーンが多数。ビートルズ自身の映像は意外と少なく、曲に合わせたCGや実写映像がさりげなく、且つ効果的に使われていました。 > View The Trailer
もう一つは MGM Grand Garden Arena で行われた George Michael の「25 Live」 Tour。
欧州ツアーが既に海外の雑誌でかなり話題になっていましたが、今回のラスベガス出張にナイスなタイミングでスケジュールが合ってくれたので見る事が出来た次第です。
こちらのメイン機材は Barco社のMiSTRIP です。メーカーの記事にコンサート写真がありますので御覧下さい。 > Pictures
メーカーの写真はロンドン公演のものですが、ベガスで見た際には中央のスクリーンに加え 上手、下手にも MiSTRIP の大型スクリーンが追加され、その分照明がフロント、トップとも大幅にカットされていました。
実際殆どの曲がピンスポットのみで構成され、今時のムービングライトのビーム等は皆無です。ビッグスターでヒット曲が沢山あると映像とアーティストパワーだけでも成り立ってしまうんだなぁ、と思ってしまいました。
それだけに其々の 曲に合わせた映像コンテンツは大変素晴らしく、George Michael の歌の世界にスーッと引きずり込まれてしまいました。JAPANツアーが実現したら是非もう一度観たいです。